水産技術研究所生理機能部の古板博文部長らが水産学技術賞を受賞
掲載日:2026年10月9日
2026年3月26日~3月29日に東京海洋大学品川キャンパスで開催された令和8年度日本水産学会春季大会において、生理機能部の古板博文部長らが水産学技術賞を受賞しました。
受賞研究課題
汎用性の高いウナギ仔魚用飼料の開発
受賞日
2026年3月27日
研究実施者
古板博文(水産技術研究所養殖部門・生理機能部 部長)
神保忠雄(水産技術研究所養殖部門・まぐろ養殖部 種苗量産グループ長)
野村和晴(水産技術研究所養殖部門・シラスウナギ生産部 基盤グループ長)
受賞理由
ウナギ仔魚用飼料としては、主原料としてサメの卵が用いられていたが、安価な汎用性の高い飼料として、鶏卵黄、乳タンパク質、酵素処理魚粉を用いた飼料の開発に成功した。ただし、形態異常が発生するという現象があったが、核酸類の配合を改良することにより、この問題を克服した。この飼料によってウナギ仔魚飼育は大きく安定し、公設水試のみならず民間企業にも普及しており、水産学技術賞を授与するにふさわしいものと評価された。
受賞研究課題の意義
ウナギ養殖に必要な種苗はすべて天然のシラスウナギに依存している。採捕されるシラスウナギは年々減少しており、持続的なウナギ養殖のために人工種苗生産技術の開発が求められている。ウナギ仔魚は他魚種と異なり、ワムシ等の生物餌料給餌によって育成することが困難であるため、アブラツノザメ卵を主体とする飼料を用いた種苗生産技術が開発された。しかし、サメ卵は資源量に限りがあることから、シラスウナギ量産化のためには、汎用的な原料を用いてサメ卵主体飼料を代替できる新たな飼料の開発が求められていた。
一連の研究を通じ、安定して良好な飼育成績が得られる汎用性の高いウナギ仔魚用飼料が開発された。これにより、ウナギ人工種苗生産尾数が大幅に増大するとともに、その生産コストの削減にも大きく貢献している。本研究成果は民間企業へも技術移転され、ウナギ人工種苗の社会実装に大きな影響を与えている。ウナギ資源の持続的利用と養鰻業の経営安定のために不可欠な完全養殖技術を利用したウナギ養殖を促進する成果である。
学会名
日本水産学会
関連事業
農林水産技術会議委託プロジェクト ウナギの種苗生産技術の開発、シラスウナギの安定生産技術の開発
水産庁委託事業 ウナギ種苗の商業化にむけた大量生産システムの実証事業
掲載誌
本研究成果は、
Fisheries Scienceに2024年1月27日に
https://doi.org/10.1007/s12562-024-01752-7
Aquaculture Reportsに2025年9月15日に
https://doi.org/10.1016/j.aqrep.2025.103013
PLOS Oneに2026年2月12日に
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0342983
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