羽野健志グループ長が、日本水産学会 水産学進歩賞を受賞
掲載日:2026年 4月15日
羽野健志グループ長が、日本水産学会水産学進歩賞を受賞し、令和8年度日本水産学会春季大会において表彰されました。

2026年3月27日 令和8年度日本水産学会春季大会 表彰式にて
受賞者
羽 野健志(水産技術研究所 環境・応用部門 環境保全部 化学物質グループ グループ長)
受賞研究課題
人為起源化学物質が沿岸域の水生生物群に及ぼす影響評価に関する研究
受賞研究課題の意義
本賞は,水産学の発展に寄与した40歳以上の研究者に授与されるもので,羽野グループ長は,沿岸域における人為起源化学物質が水生生物へ及ぼす影響評価研究に長年取り組んできた功績が高く評価されました。
特に,ネオニコチノイド系農薬群等に着目し,沿岸域に生息する海産甲殻類へのリスク評価研究を精力的に進めてきました。複数種の海産甲殻類への影響濃度を明らかにしたうえで,実環境濃度との比較から高リスク農薬を抽出し,クルマエビへの負の影響の可能性を示しています。また,「農薬使用量を1/3 に減らせばクルマエビへのリスクは 1/10 になる」という具体的なリスク軽減策を提言した点は,実践的で応用性の高い成果として高く評価されました。さらに,海産甲殻類における種間感受性の違いをもたらす要因の解明や,農薬曝露中の脱皮が農薬の蓄積を増大させ死亡率を高めることを明らかにするなど,毒性機構の理解深化にも大きく貢献しています。
羽野グループ長が対象としてきた人為化学物質は農薬以外にも,漁網や船底に使用される防汚物質やマイクロプラスチックなど,多岐にわたり,現在は病原体や高水温などの複合曝露による実環境に即した影響評価にも積極的に取り組んでいます。これらの一連の研究成果は,水産業および沿岸生態系の保全施策に大きく貢献するものとして高く評価され,このたびの受賞に至りました。
学会名
日本水産学会