2026(R08).10.20 「Iターン漁業者が9年間の標識放流調査に参画」関係機関と共同でベニズワイガニの資源管理に有効な放流手法を実証しました
令和8年10月20日
福井県農林水産部水産課
福井県水産試験場
越前町漁業協同組合 大喜丸
国立研究開発法人 水産研究・教育機構
「Iターン漁業者が9年間の標識放流調査に参画」
関係機関と共同でベニズワイガニの資源管理に有効な放流手法を実証しました
ポイント
- 越前町漁業協同組合所属の大喜丸、福井県水産課、福井県水産試験場および水産研究・教育機構が共同で9年間にわたるベニズワイガニの標識放流調査1を実施しました。
- 放流時の表層水温が低いほど、また冷水処理2を行うと放流後の生き残りと再捕率を大幅に高めること(表層水温10℃で再捕率18.0%→42.8%)を明らかにしました。
- 深海性の大型甲殻類について、放流時の水温や冷水処理が、その後の再捕に及ぼす影響を定量的に示した研究は世界でも例がありません。
- 標識放流調査ではのべ920個体を放流し、226個体が再捕されました。そのうち、224個体は大喜丸が自ら再捕したものでした。これは、市場価値の低い身入りの少ないベニズワイガニ(ミズガニ)を適切に海にもどすことで、将来、市場価値が高くなってから自分たちの漁場で再び漁獲できる可能性が高いことがわかりました。
ベニズワイガニ
標識放流調査の様子
概要
ベニズワイガニかご漁業では、脱皮後まだ甲羅が十分に硬化しておらず身入りの少ない個体(ミズガニ)が混獲されます。これらは市場価値が低いため海にもどされますが、生息域の深海と比較して暖かい表層水温などの影響で死亡することが資源管理上の問題とされてきました。
そこで、福井県水産課、福井県水産試験場、越前町漁業協同組合所属の大喜丸および水産研究・教育機構が共同で、2016年から2025年までの9年間にわたって延べ920個体の標識放流を実施しました。統計解析の結果、放流時の表層水温が低いほど、また放流前に冷水処理を行うことで再捕率が大幅に上昇することが明らかとなりました。
資料(PDF:468KB)