国立研究開発法人 水産研究・教育機構

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サケの数が決まる、ベーリング海までのサバイバル

公表日:2026年 8月25日

国立研究開発法人水産研究・教育機構

研究実施者:水産資源研究所 さけますセンター 資源生態部 飯野佑樹ほか

【要旨】

漁業調査船「北光丸」による、ベーリング海調査で獲れたサケの尾数、DNA分析データをもとに、日本生まれのサケの尾数を数値化しました。その結果、ベーリング海で日本生まれのサケの尾数が多ければ、日本に回帰するサケの尾数も多いことが明らかになりました。

 日本で生まれたサケは、海へ出たあとオホーツク海や北太平洋西部を通り、ベーリング海へ向かいます。その後、1~2年間過ごした後、生まれた日本の川へ帰ってきます。しかし、どの時期に生き残った数が将来、日本へ帰ってくるサケの数(回帰尾数)を決めているのかは分かっていませんでした。

 そこで水産研究・教育機構は、2007年から15年間以上にわたり、漁業調査船「北光丸」でベーリング海に生息するサケの生態を調べてきました。DNA分析によりサケの生まれた国を調べた結果、約70%がロシア、20%が日本、10%が北米、ごく少数(1%未満)が韓国生まれであることが分かりました。また、日本生まれのサケがベーリング海に多く到達すると、約2年後に日本へ回帰するサケも多くなることが明らかになりました。

 つまり、日本を出発してオホーツク海を通り、北太平洋西部で冬を越えるまでの生き残りが、将来の日本への回帰尾数に大きく影響していることが示されました。
一方で、ベーリング海にサケが多い年ほど、サケの体は小さい傾向がありました。これは、ベーリング海で餌をめぐる競争が起こり、十分に成長できなくなるためだと考えられました。

 本成果によって、ベーリング海のサケを調べることで日本への回帰尾数をこれまでより早く予測できる可能性があります。また、地球温暖化などによる海の環境変化がサケに与える影響を理解し、よりよい資源管理につながることが期待されます。

 本成果は、国際誌『Fisheries Research』に、7月2日付のオンライン版に掲載されました。

 (https://doi.org/10.1016/j.fishres.2026.107795

 

 詳細(PDF:1,232KB)

 

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