2026(R08). 2.18 カツオの眼球の分析から回遊履歴を推定する手法の開発に成功
令和8年 2月 18日
福井県立大学
水産研究・教育機構
東北大学
京都大学舞鶴水産実験所
カツオの眼球の分析から回遊履歴を推定する手法の開発に成功
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発表のポイント
- 海洋生物の生涯にわたる移動を追跡することは、生態学および水産科学における大きな課題です。特にかつお・まぐろ類のような外洋を回遊する魚類は、ときには数千km に及ぶ長距離移動をするため、その回遊生態の把握は困難を極めていました。
- これまで海洋生物の移動を追跡するために用いられてきた電子標識を用いたバイオロギング手法は、高コストであり、小型個体への適用が難しく、バッテリーの寿命による追跡期間の制限があることから、個体の生涯にわたる移動を捉えるには至りませんでした。
- 本研究では、バイオロギングの課題克服として、カツオの眼球にある水晶体に蓄積された同位体比※1を解析することで、その個体が孵化してから漁獲されるまでの回遊履歴を推定する手法を開発しました。
- この手法を中西部太平洋で漁獲されたカツオ33個体に適用し、回遊経路を推定しました。
- 調査の結果、海域ごとに様々な回遊パターンがあることが分かりました。特に、熱帯域で漁獲されたカツオは全て熱帯域付近に留まっていましたが、日本近海で漁獲された個体は熱帯域から北上回遊してきた個体が含まれていることが明らかになりました。これは、熱帯域のカツオ個体群において、滞留型と回遊型の2つのパターンがあり、部分回遊※2が存在していることを示しています。
- 今後、本手法を多数のカツオに適用することで、日本に来遊するカツオ資源の生態や変動機構等を明らかにできると考えています。
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【用語解説】
※1同位体比:同じ原子のうち、質量数が異なる原子の存在比率のこと。本研究では、炭素と窒素の安定同位体を使用した。
※2部分回遊:ある種の生き物の集団の中で、長距離を移動する個体と同じ場所にとどまる個体の両方が混ざっている回遊のパターン。
詳細(PDF:2,862KB)