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2026(R08). 1.16 赤潮原因プランクトンの天敵を発見! ―寄生生物を用いた赤潮プランクトン防除に期待―

令和8年 1月16日

国立大学法人東北大学
地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所
国立研究開発法人水産研究・教育機構
地方独立行政法人北海道立総合研究機構函館水産試験場


 

赤潮原因プランクトンの天敵を発見!

―寄生生物を用いた赤潮プランクトン防除に期待―

発表のポイント

  • 赤潮原因プランクトンであるカレニア・ミキモトイは、主に東アジアの沿岸域において頻繁に赤潮を形成し、1 件の赤潮で被害金額が十億円を超える規模の魚介類の大量死を引き起こすことがあります。
  • この赤潮プランクトンに寄生して殺藻する寄生生物を世界で初めて発見し、それが寄生性渦鞭毛藻の一種であることを明らかにしました。
  • この寄生生物の単離・培養に成功するとともに、室内培養実験により、それがカレニア・ミキモトイのみに高い殺藻効果を持つことを確認しました。
  • さらに研究を進めることで、赤潮の発生・終息の予測、あるいは寄生生物を「天敵製剤」として利用する赤潮プランクトン防除法の開発への応用が期待されます。

【概要】 

 カレニア・ミキモトイは、アジア圏の沿岸を中心に世界中の海域で赤潮の原因となるプランクトンで、日本沿岸の過去 30 年間における本種による漁業被害金額の総額は、90 億円にものぼると報告されています。

 東北大学大学院農学研究科の西谷豪准教授らの研究グループは、赤潮プランクトンに高い寄生性を有する新規の寄生性渦鞭毛藻(Amoebophrya sp.)を大阪湾から世界で初めて発見し、その単離・培養に成功しました。さらに、この寄生生物は、珪藻などの無害なプランクトンには寄生しない(安全性が高い)ことを示しました。

 今後、寄生が起こりやすい環境条件を解明することで、その年の赤潮発生の規模や収束時期の予測に繋がる可能性があります。将来的には、この寄生生物を「天敵製剤」として利用することによって、全国で発生する赤潮プランクトン防除法の開発への応用が期待されます。

 本研究の成果は、2025 年 12 月 9 日に国際誌 Communications biologyで公開されました。

 

 詳細(PDF:885KB)