人工種苗由来ウナギ蒲焼の試験販売開始に先立つ農林水産大臣への取組報告
令和8年5月29日、山田水産株式会社により、世界初となる人工種苗由来ウナギ蒲焼の一般向け試験販売が開始されます。これは、水産研究・教育機構が1990年代から進めてきたウナギ人工種苗・完全養殖研究が、「実験室の成果」から「社会で使われる技術」へ移行しつつある重要な節目となるものです。
これに先立ち、5月19日、農林水産省において、鈴木農林水産大臣及び広瀬農林水産大臣政務官に対し、山田水産株式会社、一般社団法人マリノフォーラム21及び国立研究開発法人水産研究・教育機構の三者から、研究開発及び社会実装に向けた取組を説明するとともに、試験販売予定の人工種苗由来ウナギ蒲焼を試食いただきました。
説明では、水産研究・教育機構より、初期生残、飼料、飼育水槽等の複数の研究課題を統合し、ウナギ人工種苗・完全養殖技術を「生産システム」として確立してきたこと、この積み重ねこそが最大のブレークスルーであることを説明しました。また、人工種苗の価値は、単なるコスト削減ではなく、天然資源に左右されない安定供給を可能にする点にあることを説明しました。
山田水産株式会社からは、令和6年以降、2年連続で年間1万尾以上の完全養殖シラスウナギ生産に成功していること、今回の試験販売は将来の量産化・普及化を見据えた市場への先行投資であること、日本のウナギ食文化を守りながら持続可能な産業として育てていく挑戦であることが説明されました。一般社団法人マリノフォーラム21からは、技術普及と知的財産保護を両立しながら、官民連携による社会実装体制の構築を進めていることが説明されました。
鈴木農林水産大臣からは、人工種苗由来ウナギの一般販売について、水産資源の持続的利用や養殖業の安定化に向けた重要な一歩であり、国際的にも日本の取組を示す意義ある技術であるとの発言がありました。また、技術の社会実装に向け、関係機関・業界と連携しながら支援と環境整備に取り組む考えが示されました。
試食後には、「めちゃくちゃおいしいです。すごいおいしい。ただおいしいという言葉しか出ません」との感想が述べられました。
当日は、予定時間を超え約40分にわたり説明・歓談が行われました。鈴木農林水産大臣からは、水産研究・教育機構による長年の試行錯誤の積み重ねや研究の将来展望、山田水産株式会社による将来を見据えた挑戦について、熱心に耳を傾けられました。また、「今回は良いお話を聞いた」との発言があり、長年の研究成果が社会実装段階に至ったことへの期待が示されました。
なお、試験販売は、「山田のうなぎ」(日本橋三越本店・築地専門店)及びイオングループECにおいて、数量限定で実施予定です。

人工種苗由来ウナギ蒲焼の試験販売開始に先立ち、鈴木農林水産大臣へ試験販売予定品を説明・手渡しする関係者
(左から、広瀬農林水産大臣政務官、山田水産株式会社 山田社長、鈴木農林水産大臣、水産研究・教育機構 芳野理事長、
風藤シラスウナギ生産部長、一般社団法人マリノフォーラム21 廣野会長)

人工種苗由来のウナギ蒲焼を試食する鈴木大臣、広瀬政務官

人工種苗由来のウナギ蒲焼を試食する鈴木大臣、広瀬政務官

人工種苗由来ウナギ蒲焼の試験販売に関する報道対応の様子
(左から、一般社団法人マリノフォーラム21 廣野会長、山田水産株式会社 山田社長、
水産研究・教育機構 芳野理事長、風藤シラスウナギ生産部長)