標識(タグ)の種類
放流する魚には「標識(タグ)」をつけます。標識には数種類あり、調査の目的によって使い分けています。
タグ
プラスチック製で番号や記号、連絡先などが印刷してある(写真はダート型と呼ばれるタイプ)タグを、魚体に付ける。
特徴
標識が付いていることがすぐ見分けられるため、再捕報告に適している。魚がどこまで移動するか、どのくらい成長するか調べるのに適している。途中で抜け落ちることもあるため、市場調査には適さない。
アーカイバルタグ
ディスクタグ
リボンタグ
ダートタグ
イラストマー
イラストマーという無害のシリコンをヒレの付け根などに注入する。蛍光色のシリコンは肉眼でも見えるが、より見やすくするために、特殊なライトを当てて、標識の有無を確認する。(写真の赤い色がイラストマー。赤以外にもイラストマーにはいろいろな色がある)
特徴
慣れた人でないと見つけられないため、一般の人は標識だと気がつかない。タグのように途中でなくなってしまうことが少ないため、市場調査に適している。
ヒレ抜去
魚の行動に影響の少ない腹鰭を抜き取る。(写真はクロソイの腹鰭部分。左側の魚がヒレ抜去をして1年経過したもの)
特徴
慣れた人でないと見つけられないため、一般の人は標識だと気がつかない。タグのように途中でなくなってしまうことが少ないため、市場調査に適している。
耳石標識
頭部にある耳石という小さな骨を染色する。年を経ると年輪のような紋が残る。(写真はホシガレイの耳石。中央のオレンジ色部分が標識として染色した部分)
特徴
標識を付けるときの魚へのダメージが少ないため、 タグ等外部標識が付けられない小さな魚に付けるのに適しているが、解剖しないと標識がついているかいないかがわからない。途中でなくなることがないため、市場調査用の標識として、イラストマーやヒレ抜去と併用して使う。